国土交通大臣は3月28日、東京メトロが申請していた有楽町線・南北線の延伸の第1種鉄道事業を許可した。東京メトロは両線の延伸区間とも2030年代半ばの開業を目指す。
南北線の延伸区間は従来「品川地下鉄」などと呼ばれていたもので、品川~白金高輪間の2.5km(建設キロ)。途中に駅は設けない。総事業費は約1310億円。六本木などの都心部とリニア中央新幹線の駅が設けられる品川のアクセス向上を目指す。東京メトロによると、所要時間は品川~六本木一丁目間で現在約19分のところ、半分以上の10分短縮して約9分になるという。
有楽町線の延伸区間は、豊洲~東陽町~住吉間の4.8km(建設キロ)。総事業費は約2690億円。東陽町駅で東京メトロ東西線と連絡し、豊洲~東陽町間と東陽町~住吉間に新駅を設ける。東西線の混雑緩和や、臨海副都心と都区部東部などとのアクセス向上を目指す。
東京メトロによると、現在の所要時間は豊洲~住吉間が約20分だが、延伸区間の開業後は半分以上短縮して約9分に。東西線の混雑率は2019年度に比べ、木場→門前仲町間で約20%低減するという。
東京メトロは1月28日に両延伸区間の第1種鉄道事業許可を申請。建設資金は地下高速鉄道整備事業費補助に加え、鉄道・運輸機構による都市鉄道融資を活用する。同社は両区間の建設で地下鉄ネットワークの充実を図り、東京の発展や東京圏の国際競争力の強化に貢献するとしている。
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