東京メトロ有楽町線延伸「40年ぶり」鉄道事業許可を申請 同時に「品川地下鉄」も



東京メトロは1月28日、有楽町線と南北線の延伸区間について、国土交通大臣に第1種鉄道事業許可(線路を保有して列車を運行する事業)を申請した。2030年代半ばの開業を目指す。

延伸区間を走る南北線(左)と有楽町線(右)の列車のイメージ。【撮影:草町義和(左)・鉄道プレスネット(右)、加工:鉄道プレスネット】

南北線の延伸区間は、これまで国や東京都の構想で「都心部・品川地下鉄」などと呼ばれてきた区間。品川~白金高輪間の2.5km(建設キロ)を結ぶ。途中駅は計画されていない。白金高輪駅で南北線(開業区間)と都営三田線に接続し、品川駅ではリニア中央新幹線や東海道新幹線、JR在来線、京急線との連絡が図られる。総建設費は約1310億円。

東京メトロは品川駅がリニア中央新幹線の整備を機に東京と国内外の広域的な交通結節点として期待されているとし、南北線を品川駅に延伸することで山手線や東海道線などのJR主要幹線と羽田空港に連絡する京急線、東海道新幹線との連絡を図り、六本木・赤坂などとの都心部のアクセス向上に寄与するとしている。

有楽町線と南北線の延伸区間(赤)。【画像:東京メトロ】

有楽町線の延伸区間は豊洲~住吉間の4.8km(建設キロ)を結ぶ。駅(既設含む)は豊洲・(新駅)・東陽町・(新駅)・住吉の5駅。豊洲駅で有楽町線(開業区間)、住吉駅で半蔵門線に接続し、東陽町駅で東西線に連絡する。総建設費は約2690億円。

有楽町線の延伸区間は1982年1月29日、営団地下鉄(現在の東京メトロ)が豊洲~住吉~押上~亀有間の地方鉄道免許(現在の鉄道事業許可に相当)を申請。このうち半蔵門線と線路を共用する住吉~押上間が半蔵門線単独で2003年3月に開業したが、それ以外の区間は採算性などの問題もあり、免許申請のまま事実上保留された状態になっていた。今回、豊洲~住吉間のみ40年ぶりに改めて申請した格好となった。

東京メトロは有楽町線の延伸の効果について、臨海地域と都区部東部の観光拠点などとのアクセス利便性の向上や、東西線の混雑緩和などを挙げている。

東京メトロが今回申請した区間は2016年4月、交通政策審議会(交政審)が答申した『東京圏における今後の都市鉄道のあり方について』(交政審198号)に盛り込まれていた。しかし、東京メトロは営団地下鉄時代に着工した副都心線を除いて新線を建設しない方針を掲げており、事業主体をどうするかが課題になっていた。

昨年2021年7月、交政審は『東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等について』(交政審371号)を答申。事業主体は東京メトロが適切としつつ、同社の経営に悪影響を及ぼさないよう、事業費は地下高速鉄道整備事業費補助の適用や鉄道・運輸機構による都市鉄道融資の活用が適切とした。これを機に両線の延伸区間が事業化に向け、本格的に動き出している。

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