小田急ロマンスカーVSEの完全引退「12月10日」引退後の展示検討は「継続」



小田急電鉄は11月6日、特急ロマンスカー「VSE」こと50000形電車が12月10日をもって完全引退すると発表した。12月にラストランツアーや引退記念撮影会が行われる。

臨時列車「ニューイヤーエクスプレス」として運行されたときの「VSE」。【画像:小田急電鉄】

「VSE」は18年前の2005年にデビューした特急ロマンスカーの車両。10両連接編成2本が導入された。昨年2022年3月に定期列車での運行を終了。その後はイベント列車などで運用されていたが、今年2023年9月に第50002編成が引退した。残る第50001編成も、このほど12月10日限りの引退が決まった。

小田急電鉄は第50002編成の引退日を発表した際、「VSE」を海老名駅隣接の博物館施設「ロマンスカーミュージアム」での展示に向けた検討を進めるとしていたが、展示の時期や展示の方法など詳細は明らかにしていなかった。

今回も展示についての具体的な内容は発表してないが、同社は「VSEは、特徴ある滑らかな乗り心地を作り出すための細やかな整備、車両自体に負けない乗務員サービスなど、想いを込めて携わった従業員が多く、当社においても特別な存在」とし、展示に向けた検討を継続するとしている。

菜の花畑のなかを走る「VSE」。車両間に台車を一つ設けた連接車の特徴が分かりやすい。【画像:小田急電鉄】

ラストランツアーは最終日の12月10日、運行区間を変えて3回実施。各回の運行区間と時刻は次の通り。

●第1回(相模大野駅中央改札口前、7時集合)
相模大野8時10分ごろ→片瀬江ノ島→唐木田11時35分ごろ

●第2回(唐木田駅改札口前、11時20分集合)
唐木田12時30分ごろ→新宿→秦野15時50分ごろ

●第3回(秦野駅改札口前、15時集合)
秦野16時10分ごろ→箱根湯本→成城学園前20時00分ごろ

各回300人を募集。旅行代金は中学生以上で1万900円からになる。申込みは11月8日の12時30分から小田急トラベルの「小田急旅の予約サイト」で先着順で受け付ける。

彼岸花と「VSE」。【画像:小田急電鉄】

引退記念撮影会は最終日前日の12月9日、海老名電車基地で4回に分けて実施。撮影会の終了後に電車基地からタラップを使ってVSEに乗車して基地内を走行後、新宿駅まで乗車するプランも設定する。

撮影会の募集人員は各回100人で代金は9800円。乗車会の募集人数は130人で6980円になる。乗車付き撮影会は100人で1万3800円。いずれも11月7日12時30分から「小田急旅の予約サイト」で先着順で受け付ける。

このほか、記念グッズとして「VSE引退 小田急ロマンスカー5車種ラインナップ記念硬券付きカードセット」が発売される。表紙1枚とD型硬券付きカード5枚 VSEスペシャルフォトカード2枚の8枚セット。鉄道グッズのネットショップ「きっぷと鉄こもの」で12月1日9時から3000部限定で販売される。発売額は2000円(送料別)。

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