京阪電鉄5000系の50周年で座席「昇り降り」実演イベント 「5ドア運用」来年1月終了



京阪電気鉄道(京阪電鉄)は12月8日、ユニークな構造で知られる通勤車両の5000系電車について、5ドア運用を来年2021年1月29日限りで終了すると発表した。今年2020年12月20日からは、5000系のデビュー50周年を記念したイベントを開催する。

ドアを片側5カ所に設けている5000系。【画像:京阪電鉄】

イベント期間初日の12月20日は、中之島駅でイベントを開催。11~15時に改札外のコンコースで記念商品を販売する。また、12時30分~15時に5000系を同駅の3番線で展示。座席昇降の実演を計4回(12時30分・13時・13時30分・14時)実施する。

座席昇降はホームからは誰でも見られるが、車内から見る場合は有料(1000円)。京阪のネットショップ「e-kenetマーケット」で事前に申し込む必要がある。申込期間は12月9日9時から12月13日23時59分まで。

展示終了後は中之島15時12分発の萱島行き区間急行の臨時列車として運転。5000系はラッシュ時に5ドアで運転し、それ以外の時間帯は3ドアで運転するが、この臨時列車は5ドアで運転される。

このほか、5000系50周年のスタンプラリー(12月20日~来年2021年1月24日)を実施。5000系の全編成に50周年記念のヘッドマークを掲出(1月24日まで)する。

京阪電鉄の5000系は、1970年12月にデビューした京阪電鉄の通勤車両。通勤車両のドアは通常、1両の長さが18m台なら片側3カ所に設けられているが、5000系は18m台ながらドアを5カ所に設けている。これによりラッシュ時の乗降時間の短縮を図ったのが特徴だ。

また、5ドアのうち2ドアには昇降式の座席を設置。ラッシュ時は座席を天井側に収納して5ドアで運用し、それ以外の時間帯は座席を床側に降ろして3ドアで運用することで、座席の減少による着席サービスの低下を抑えている。

ラッシュ時は天井側に座席が収納されているが(上)、それ以外の時間帯は座席を降ろし(中)、ドアを閉鎖して座席を増やす(下)。【画像:京阪電鉄京阪電鉄】

1970年から1980年にかけ7両編成7本(ほかに事故廃車による代替車1両)が製造されたが、2016年から2018年にかけ7両編成3本が廃車された。京阪電鉄はホームドアの整備による通勤車両のドア位置統一を計画しており、ほかの車両とドア位置が異なる5000系は、そう遠くない時期に全車引退の可能性が高い。5ドアでの運用が来年2021年1月で終了するのも、全車引退に向けた流れの一環とみられる。