愛知県半田市の建設部は4月11日、高架化工事が進むJR武豊線・半田駅の周辺地区を景観形成重点地区に指定したと発表した。高架化で撤去される半田駅の歴史的な鉄道施設を活用したまちづくりを行う。
半田市がまとめた整備方針によると、半田駅の高架駅舎の外壁は半田運河周辺の黒板囲いの蔵をイメージしてデザイン。ホームからの眺望を確保するため防風スクリーンを設け、周辺の歴史的な木造建築にみられる格子を用いて「半田らしさ」を表現する。
駅前には公園を整備。半田運河から半田駅への歩行者動線上に蒸気機関車や半田駅の跨線橋、油庫などの鉄道産業遺産を移設して保存する。半田運河と鉄道の歴史のつながりを表現するという。道路は無電柱化を行い、石畳などを整備する。
半田駅は明治期の1886年に開業し、1896年には現在の場所に移転。このため駅構内には明治期に整備された跨線橋や油庫など歴史的な施設が多数残っていた。跨線橋は建造当時と同じ場所に残っているものとしてはJRで最古とされる。
2020年度から同駅とその前後の線路を高架化する連続立体交差事業の工事が始まり、跨線橋なども撤去することになったことから、半田市はこれらの施設を保存活用したまちづくりを行うことを決めた。
《関連記事》
・武豊線・半田駅の仮駅舎6月から使用開始 高架化の一環「最古の跨線橋」など撤去へ
・JR東海「駅体制適正化」やワンマン拡大、燃料電池車調査など 2022年度重点施策