名鉄は3月29日、東岡崎駅(愛知県岡崎市)と同駅周辺エリアの一体的な再開発を行うと発表した。北口と南口にそれぞれ複合施設と商業施設を整備する。
北口は第1種市街地再開発事業の施行を予定。駅と接続する地上8階建ての複合施設を整備する。敷地面積は約6000平方mで、延床面積は約1万3000平方m。商業施設や事務所、公益施設を設けるほか、バスターミナルを再整備して交通結節点としての役割を強化する。
商業施設は周辺回遊の起点として観光ニーズに対応した店舗や、バスターミナルでの乗換待ちといった「すき間時間」のニーズにも対応した店舗を配置する。イベントなど多目的に活用できるスペースも一体的に整備し、にぎわいを創出するという。
北口には1967年までに岡ビル百貨店(岡ビル)という駅ビルが完成。近年は「昭和レトロ」を体感できる施設としても注目されていたが、建物の老朽化や利用者の減少を受け2021年4月に閉業した。この岡ビルを解体したうえで複合施設が建設される。
南口の商業施設は地上3階建てで、敷地面積が約1200平方m。延床面積は約3000平方mになる。食品など物販店舗や飲食、サービスなどの用途を取り入れた生活利便性の向上に寄与する店舗を誘致する。岡崎市は徳川家康生誕の地で、南口の近くには徳川家康の産土神として知られる六所神社がある。これら周辺施設との立地にも配慮し、動線計画を含めた施設計画を進めるという。
まず南口の商業施設が2022年度内に着工し、2023年度内に完成する予定。北口の複合施設は2027年度内の着工、2029年度内の完成を目指す。
再開発計画のコンセプトは「SWING HIGAOKA(スイング・ヒガオカ) -この街の躍動的なリズムをリードする-」。名鉄によると、岡崎市には世界的に類を見ない貴重なジャズレコードや雑誌、オープンリールテープなどが所蔵されており、国内有数のジャズイベントも開催されるなど『ジャズの街』として広く知られている。「『SWING』が持つポジティブな意味合い」を踏まえつつ岡崎市と連携し、再開発により地域の個性を引き立てるという。
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