西九州新幹線「9月23日開業」正式発表 「30分短縮」も「乗り換え増加」



JR九州は2月22日、工事中の西九州新幹線・武雄温泉~長崎間(佐賀県・長崎県)の約66kmを9月23日に開業すると正式に発表した。開業まで残り7カ月になり、準備は最終段階に入った。

9月23日に開業する西九州新幹線のN700S「かもめ」。【画像:JR九州】

駅数は起終点を含め5駅。武雄温泉・諫早・長崎の3駅は在来線の既設駅に併設される。新大村駅は在来線にも同名の駅を新設して併設駅になる。嬉野温泉駅は西九州新幹線の単独駅。車両基地は新大村駅から北へ約2kmの地点に大村車両基地が設けられる。

武雄温泉駅は西九州新幹線を走る「かもめ」と博多~武雄温泉間を結ぶ在来線特急「リレーかもめ」が同じホームで乗り換えられる対面乗換方式を採用する。この方式は2004年に九州新幹線(鹿児島ルート)の新八代~鹿児島中央間が先行開業した際も新八代駅で実施されており、在来線特急「リレーつばめ」と新幹線「つばめ」を同じホームで乗り換えられるようにしていた。

鹿児島ルートの新八代駅で実施されていた在来線特急と新幹線の対面乗換。【画像:JR九州】

このため博多~長崎を結ぶ現在の在来線特急「かもめ」に比べ、乗り換えが1回に増加。一方で「リレーかもめ」「かもめ」乗り継ぎによる博多~長崎間の所要時間は最短で約1時間20分になり、いまより約30分短縮される。

西九州新幹線の位置。【画像:JR九州】

西九州新幹線は福岡市と長崎市を結ぶ九州新幹線(長崎ルート・西九州ルート)として計画されている新幹線の一部。博多~新鳥栖間は鹿児島ルートと線路を共用するため、線路の新設区間は新鳥栖~武雄温泉~長崎間になる。このうち武雄温泉~長崎間が2012年までに着工したが、新鳥栖~武雄温泉間は着工のめどが立ってない。佐賀県は同区間について、在来線に比べ時間短縮効果がほとんどない割に巨額の建設費負担が必要になるなどとし、建設に反対している。

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