JR東日本は12月7日、早ければ3年後の2025年頃にも、運転士のみ乗務する「ワンマン運転」を首都圏の主要路線で実施すると発表した。新しい列車制御システムの導入なども行い、運転士が乗務しないタイプの自動運転(ドライバーレス運転)の開発を進める。
ワンマン運転を実施する線区は、山手線や京浜東北・根岸線、南武線、横浜線、常磐線(各駅停車)など。ワンマン運転に必要な車両の改造や駅設備の工事を進める。一部の線区では自動列車運転装置(ATO)も導入し、定時性の向上や省エネ運転の実現を目指す。2025年頃から2030年頃のワンマン運転実施とATO導入を目指し、線区ごとに準備を進める。
首都圏では今年2021年3月、常磐線(各駅停車)にATOが導入された。ワンマン運転も一部の路線で実施済みだが、山手線などの主要路線では実施されていない。
山手線と京浜東北線・大宮~東神奈川間では、JR東日本の無線式列車制御システム「ATACS」を導入。ATACSの無線を活用したATOの高性能化も図る。東京圏輸送管理システム(ATOS)との連携を図り、遅延回復や省エネ運転による効率的な運転を実現するという。2028~2031年頃のATACS使用開始とATO高性能化を目指す。首都圏のJR線では2017年、埼京線の池袋~大宮間にATACSが導入されている。
自動運転は「添乗員付き自動運転」(レベルGoA3=運転士は乗務せず、異常時の避難誘導などを行う係員が乗務)の将来の実現を目指し、開発を進める。
JR東日本は最新技術を広く活用することで運行管理・列車制御の融合と高機能化を図り、「お客さまの需要に応じたオンデマンドな輸送サービスの提供と、効率的でサステナブルな鉄道運営」を目指すとしている。
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