広島電鉄のドイツ車2年ぶり「クリスマス電車」に 30周年、車内飾り付け「客自身で」



広島電鉄は11月16日、恒例の「クリスマス電車」を12月11日から運行すると発表した。昨年2020年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け運行を中止したため、2年ぶりの運行だ。

「クリスマス電車」のイメージ(上:側面A、下:側面B)。【画像:広島電鉄】

200形238号「ハノーバー電車」を使用。車体に電飾を施すほか、両側面で異なるラッピングを施す。「側面A」は「お子様に喜んでいただけるかわいらしいデザイン」、「側面B」は「大人の方にもご満足いただけるシックで上品なデザイン」にするという。このほか、運行30周年を記念して車体のラッピングデザインにあわせたマークを掲出する。

運行期間は12月11~24日で、このうち12月11~23日は貸切運行だ。貸切枠は昼間が11時00分発と13時00分の2回、夜間が17時00分発と17時30分発の2回。広島駅~紙屋町東~広島港・広島駅~紙屋町東~広電西広島・広島駅~紙屋町東~横川駅の各区間について、片道または往復で募集する。

運賃は1行程が1万8240円、2行程が3万6480円。定員は新型コロナウイルス感染症対策として例年の半数程度(最大12人)に抑える。11月18日から広島電鉄ウェブサイトで申込みを受け付ける。

車内の飾りは広島電鉄が準備するが、一部エリアの飾り付けは今回から客自身が飾り付けを行い、運行終了後も客に撤去してもらう。広島電鉄は「お客様オリジナルのクリスマス電車として貸切運行をお楽しみいただけます」としている。

12月19日は17時から、広電西広島(己斐)駅に隣接するイベントスペース「KOI PLACE」で実施するイベント参加者のなかから、抽選で「クリスマス電車」に乗車できるようにする。運行ルートは広電西広島→横川駅→広電西広島で2回の運行を予定。1回につき12人が乗車できる。12月24日は広電西広島駅で子供にプレゼントを配布する。

「クリスマス電車」になる238号「ハノーバー電車」。【撮影:草町義和】

「ハノーバー電車」は西ドイツ(当時)のハノーバー市電で運用されていた路面電車。1950年に製造された。1988年、広島市とハノーバー市の姉妹都市提携5周年を記念してハノーバー市が広島市に寄贈し、広島電鉄で運用されるようになった。近年は稼働回数が減っているが、30年前の1991年から運行が始まった「クリスマス電車」は「ハノーバー電車」で運行されている。

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