岡山の路面電車・バス運賃「無料化」実施 平日・休日の計2日、1日増える可能性も



岡山市の大森雅夫市長は11月9日の記者会見で、路面電車・路線バスの「運賃無料DAY」を11月と12月の計2日実施すると発表した。

岡山電軌の路面電車。【撮影:草町義和】

実施日は11月28日の日曜日と12月10日の金曜日。原則として一部でも岡山市内を通過する路面電車と路線バスの全便を無料にする。高速バスとコミュニティバスは対象外。岡山空港と倉敷駅北口を結ぶ空港リムジンバスと、下電バス興除営業所前から倉敷駅・成人病センターを結ぶ路線バスも対象外だ。

対象事業者は路面電車が岡山電気軌道(岡山電軌)。路線バスは宇野自動車(宇野バス)と岡山電軌、下津井電鉄(下電バス)、中鉄バス、中鉄北部バス、東備バス、備北バス、八晃運輸(めぐりん)、両備ホールディングス(両備バス)になる。

利用に際しては乗車時に整理券を取り、降車時には整理券を指定の回収場所に入れる必要がある。ICカードのタッチや定期券は不要だ。

岡山市によると、新型コロナウイルス感染症の拡大で公共交通の利用者が大幅に減少。運賃無料化で公共交通の利用を促進するとともに、公共交通事業者の支援を行う。買い物やレジャーなどの外出機会を創出し、経済の活性化を図るという。

大森市長によると、コロナ禍前に比べ路面電車の利用者は4割減少し、路線バスも3~4割減少したという。実施日として日曜と平日の両方を選んだことについては「まちのにぎわいを増やしていくという点から正月に実施する案を持っていたが、平日も(利用者数が)落ち込んでいて平日に実施して欲しいという要請もあり、2日のうち1日は平日に変更した」と述べた。

無料実施日の運賃相当額は岡山市が負担。その予算として同市は4650万円を確保した。この額は通常の3日分の運賃に相当するが、大森市長は「利用者がどこまで伸びてくるかよく分からないため、とりあえず2日にした。状況を見て、もう1日追加するか意思決定していきたい」と延べ、無料実施日を増やす可能性も示唆した。利用者数は1日につき通常の2.5倍となる最大10万人を見込んでいる。

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