JR東海「恐怖の教育設備」稼働 新幹線の台車検査施設に整備



「エッセンス」の作業本質エリア。実物の廃車車両の台車を用いている。【画像:JR東海】

JR東海は8月4日、新幹線の大阪台車検車車両所(大阪府摂津市)に台車検査の教育設備「S-sense(エッセンス)」を設置したと発表した。

JR東海によると、車両所の台車検修庫内の一部(約180平方m)に「作業本質エリア(運転事故防止)」と「安全本質エリア(労働災害防止)」の二つのエリアを設けた。

「作業本質エリア」には「WN継手取付不良体感装置」を設置。廃車車両の台車の内部が見えるようにカットされ、受講者が車軸を回すことができる。WN継手の取付不良で歯車装置と車軸が円滑に回らなくなることを体感できるようにした。

「安全本質エリア」に設置された「車輪落下体感装置」は、約300kgの車輪を吊り上げる際に吊り具の掛かり方が浅い場合、少しの衝撃で車輪が落下する様子を再現。車輪が落下した際の恐怖を体感できるという。

「エッセンス」の稼働開始日は5月28日付け。大阪台車検査車両所で台車の検査・修繕に関わる社員と関係会社社員が訓練の対象だ。

大阪台車検車車両所は、鳥飼車両基地を構成する車両工場の一つ。JR東海が所有する新幹線車両の台車検査は、原則としてすべてこの車両所で行われている。

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