金沢市「新交通」機種を本年度中に選定へ 金沢港~有松、LRTかBRTに



LRTのイメージ(トルコ・イスタンブールの路面電車)。【撮影:草町義和】

金沢市が設置した「金沢市新しい交通システム導入検討委員会」が5月25日、金沢市役所で開かれた。検討委は今後、金沢市内に導入する新しい交通システムの機種を選定し、本年度2021年度中に方針を取りまとめる。

設置は今年2021年4月1日付け。日本大学の大沢昌玄教授など土木の専門家や、北陸鉄道の宮岸武司社長など交通事業者で構成される。

新しい交通システムの検討ルートは、金沢港から市内中心部のJR金沢駅、香林坊、北陸鉄道石川線の野町駅などを経由して有松まで。5月25日の検討委では、路面電車タイプの軽量軌道交通(LRT)とバス高速輸送システム(BRT)のどちらかを選定する方針を確認した。

金沢市が構想している新しい交通システムの検討ルート(赤)。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット編集部】

BRTのイメージ(インドネシアの首都ジャカルタのBRT)。【撮影:草町義和】

金沢市内では、かつて北陸鉄道が路面電車を運行していたが、1967年までに廃止された。1990年代に新しい交通システムの導入構想が浮上。石川県と金沢市は金沢港~野町間のルートを基本に、LRTやガイドウェイバスシステムなどの比較検討を行ってきた。

金沢市は2016年に「第2次金沢交通戦略」を策定。同市が設置した新しい交通システムの検討委員会は2017年2月に提言書を取りまとめ、金沢港~金沢駅~香林坊~野町駅の都心軸を基本としたルートが適当とした。

一方、導入機種についてはLRT・BRT・モノレール・ミニ地下鉄の比較検討を行った結果、「利用者の上下移動の有無などの利便性や、費用面、景観面等を勘案し、地上における専用走行区間を勇姿、十分な輸送能力を持つBRT及びLRTが適当」としていた。これを受けて金沢市は改めて検討委員会を設置し、導入機種を選定することにした。

《関連記事》
芳賀・宇都宮LRTの車両愛称「ライトライン」に 停留場名も正式決定
JR西日本とソフトバンク「自動運転・隊列走行BRT」開発 滋賀にテストコース整備へ