熊本市電「自衛隊ルート」延伸、実施設計のめど立たず 基本設計は本年度中に完了へ



熊本市の大西一史市長は12月9日、熊本市電「自衛隊ルート」の延伸計画について、基本設計に続く実施設計の実施のめどが立っていないことを示した。12月9日に行われた熊本市議会の定例会本会議で、田上辰也議員(市民連合)の質問に答えた。

熊本市電の終点・健軍町停留場に進入する電車。ここから熊本市民病院付近まで延伸する。【撮影:草町義和】

大西市長によると、市電延伸は2015年6月から調査に着手しており、本年度2020年度は基本設計などを行っている。しかし今年2020年5月、熊本市は新型コロナウイルス対策に集中的に取り組むとし、基本設計のあとに行う予定だった実施設計はいったん中断することにしたという。

12月9日の市議会でも「市電延伸は熊本市の将来を見据えた利便性の高い公共交通体系の構築に向け不可欠な施策。しかし事業の進め方については、新型コロナの状況や将来的な財政状況などを踏まえ、議会などにも説明を行いながら総合的に判断していく」とし、実施設計の具体的な時期は明らかにしなかった。

熊本市はこれまで、複数の市電延伸案を検討。現在は「自衛隊ルート」を優先して事業着手に向けた検討を進めている。同ルートは健軍町停留場から2019年に現在地に移転した新しい熊本市民病院付近までの約1.5km。熊本市民病院の北側に陸上自衛隊健軍駐屯地がある。

熊本市電「自衛隊ルート」の位置(赤)。【画像:国土地理院地図/加工:鉄道プレスネット編集部】

熊本市が2019年に公表した資料によると、自衛隊ルートは複線軌道とし、利用者数は年間約58万人を見込む。事業費は概算で100~130億円。このうち約60億円は国からの補助金で賄うことが想定されている。