羽田空港駅の引上線「設計進めている」 京急電鉄2020年度の鉄道事業設備投資計画



京浜急行電鉄(京急電鉄)は8月7日、本年度2020年度の鉄道事業設備投資計画の概要を発表した。総額は約175億円(国や自治体の負担分を除く)で、このうち約148億円を安全対策に投じる。

引上線の新設構想がある京急の羽田空港第1・第2ターミナル駅(写真はホームドア設置前)。【撮影:草町義和】

駅の改良計画では、京急東神奈川駅でホーム上家の延伸を行い、雨天時の混雑緩和を図る。エスカレーターの更新(新馬場駅と金沢文庫駅)、駅舎の改築(花月総持寺駅)、トイレの改修(金沢文庫駅と逗子・葉山駅)も行う。ホームドアの設置工事は、平和島・京急鶴見・京急東神奈川・日ノ出町・追浜・汐入の各駅で進める。

地上施設は、変電所や電気保安設備などの電気施設の更新・改良、高架橋の耐震補強工事、法面(のりめん)防護、トンネル補修・橋りょう補修、浸水対策を実施する。車両は1000形電車を8両(4両編成2本)増備するほか、既存の1000形も8両を更新、改造する。また、運行管理支援システムや工場、検車庫の改良・改修なども行う。

高架化や地下化により踏切を解消する連続立体交差事業(連立事業)は、京急大師線連立事業(第1期)の暫定整備区間として東門前~小島新田間の地下化が2019年に完了。引き続き地上の整備を進める。また、今年2020年4月1日に事業認可された品川駅付近の連立事業にも着手していくとしている。

羽田空港第1・第2ターミナル駅で構想されている引上線の新設は「現在設計等を進めている」とした。この引上線は2016年4月、国土交通大臣の交通政策審議会が答申した「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」(交政審198号答申)に盛り込まれた。引上線の整備で羽田空港を発着する列車の増発が可能になり、利便性の向上が期待されている。