イスラエル「南北縦断」高速鉄道の計画 ネタニヤフ首相、サウジへの乗り入れも示唆



イスラエルのネタニヤフ首相は7月30日、同国の南北を縦断する高速鉄道を整備すると発表した。現地メディアの『エルサレム・ポスト』などが伝えた。

現在のイスラエルの鉄道。【画像:Oyoyoy/wikimedia.org/CC BY-SA 3.0】

エルサレム・ポストによると、ネタニヤフ首相は1000億シェケル(約3兆8000億円)を投じ、イスラエル北端のキリヤット・シュモナから南端のエイラートを高速鉄道で結ぶ「一つのイスラエル」計画を開始すると閣議で表明した。

ネタニヤフ首相は「将来的にはエイラートから地中海の港まで貨物を輸送できるようになる。イスラエルとサウジアラビアやアラビア半島を列車で結ぶこともできるようになるだろう」と述べ、サウジアラビアへの乗り入れの可能性も示唆した。

現在のイスラエルの鉄道(赤)と周辺各国の鉄道(オレンジ)。ネタニヤフ首相が表明した高速鉄道はイスラエル北端のキリヤット・シュモナと南端のエイラートを結ぶ。【画像:OpenStreetMap/OpenRailwayMap、加工:鉄道プレスネット】

イスラエルには国内の主要都市を結ぶ全長1000km以上の鉄道網がある。最高速度は一部を除き100km/h未満。かつては地中海の港町・ハイファと現在のサウジアラビアのメディナを結ぶ鉄道が存在したが戦争により破壊され、現在は国内のみの運行となっている。

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