流鉄「値上げ」認可、2024年4月1日から 一部料金は据え置き



国土交通省の関東運輸局長は9月7日、流鉄(千葉県)が申請していた鉄道旅客運賃の上限変更を認可した。これを受けて流鉄は来年2024年4月1日に運賃を値上げする。消費税率の引き上げに伴うものを除くと、値上げは1989年以来35年ぶり。

流鉄の列車。【画像:nkm03/写真AC】

流鉄は常磐線の馬橋駅で分岐して流山駅を結ぶ5.7kmの流山線を運営する鉄道会社。普通旅客運賃は3kmまでが10円の値上げで、4km以上は20円値上げされる。初乗り(~2km)は現行130円のところ140円、馬橋~流山の全線では現行200円ところ220円に変わる。

定期旅客運賃は大人・1カ月の場合、通勤が各距離帯で510~810円の値上げ。通学は370~580円の値上げだ。通勤は2kmまでが現行5090円のところ5600円で、馬橋~流山は現行8060円のところ8870円になる。これ以外の料金なども一部改定するが、「流鉄流山線一日フリー乗車券」の発売額や定期券などの払い戻し手数料は据え置く。

改定後の普通旅客運賃。【画像:流鉄】
改定後の定期旅客運賃(通勤)。【画像:流鉄】
改定後の定期旅客運賃(通学)。【画像:流鉄】

流鉄によると、流山線の2022年度の利用者数はつくばエクスプレス線の開業前(2004年度)に比べほぼ半減しており、鉄道は慢性的な赤字体質。不動産事業などの収入を老朽化する施設や車両などの維持費に回すのも限界で、今年2023年6月に運賃の値上げを申請した。

旅客部門の2021年度実績は収入が2億8906万4000円だったのに対し支出が4億624万9000円で、1億1718万5000円の赤字。2023~2025年度(3年間平均)の推定は現行運賃のままなら8464万5000円の赤字なのに対し、運賃を値上げした場合の赤字額見込みは5086万6000万円で、3400万円ほど縮小されるという。

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