武蔵野線の府中本町~西船橋間(東京都・埼玉県・千葉県)でE231系電車の導入が進み、これまで同線で運用されてきた205系電車が残りわずかになった。
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205系は1985年から1994年にかけ1461両が製造された、国鉄とJR東日本、JR西日本の通勤型車両。当時の国鉄車両としては珍しかったステンレス車体を採用し、界磁添加励磁制御やボルスタレス台車を採用するなど、製造コストの低減を図りつつ新しい技術を導入したのが特徴だった。
武蔵野線では1991年に導入されたほか、2002年からは山手線などで使われていた205系が大量に転属し、それまで武蔵野線で運用されていた103系電車を置き換えた。他線から転属した車両は制御装置をVVVFインバーターに交換するなどの改造を受けている。
2017年には209系電車のほか、336両(8両編成42本)の205系が武蔵野線で運用されていた。しかし、このころから中央・総武線で運用されていたE231系電車が武蔵野線に転属し、老朽化した205系を置き換えている。
引退した武蔵野線の205系は2018年から順次、インドネシアの鉄道事業者「ケレタ・コミューター・インドネシア」に譲渡されている。同社は日本の鉄道事業者から中古電車を多数譲り受けて首都ジャカルタの通勤列車を運行しており、JR東日本からも以前から埼京線や南武線、横浜線で使われていた205系を譲り受けていた。
武蔵野線の205系は、今年2020年8月1日時点で32両(8両編成4本)。この32両も今年中には同線から引退し、インドネシアに輸出されるとみられる。