川崎車両の電気式気動車「GreenDEC」2026年春から三セク2社で営業運転開始



川崎重工業は12月19日、同社グループの川崎車両が地域鉄道向けの新型気動車「GreenDEC」を開発したと発表した。すでに第三セクター鉄道の2社から受注しており、来年2026年春に営業運転を開始する予定。

川崎車両「GreenDEC」の外観イメージ。【画像:川崎重工業】

GreenDECは電気式を採用。ディーゼル機関で発電機を動かし、発生した電気でモーターを動かす。モーターやインバーター、歯車減速機などの機器は一般的な電車と共通で使用できるようにした。また、水素駆動機関の採用など将来の発展性を見据えた構造やレイアウトとし、水素利用までシームレスに対応できるようにしたという。

車体はステンレス製。寸法は長さ18m・幅2.8m・高さ4.02mだが、長さ20mの設定もある。内装は白をベースとした壁面と天井により明るい車両にしたといい、設備品は極力シンプルな構成にして清潔感や見通しの良さを実現したという。設計最高速度は95km/h。

GreenDECの車内イメージ。【画像:川崎重工業】
GreenDECのロゴマーク。【画像:川崎重工業】

川崎車両は今年2025年4月、国土交通省が主催した官民研究会の場でGreenDECの開発を明らかにしていた。川崎車両は第三セクターの天竜浜名湖鉄道(静岡県)と甘木鉄道(福岡県)からGreenDECベースの新型車両を受注しており、いずれも2026年春のダイヤ改正にあわせて営業運転を開始する予定だ。

国鉄・JR以外の鉄道で電気式気動車を導入するのは、1935年に汽車製造(現在の川崎重工)が製造した相鉄のキハ1000形以来、90年ぶりになる。

甘木鉄道が導入する電気式気動車のARe500形のイメージ。GreenDECを採用する。【画像:甘木鉄道】

川崎重工によると、日本国内の非電化路線は鉄道路線全体の約30%を占めている。これらの路線で現在運行されている気動車の多くは、ディーゼル機関と液体変速機を組み合わせた液体式を採用。しかし近年は液体式気動車の中核機器である液体変速機などの入手が難しくなっているのに加え、非電化鉄道においても地球環境負荷低減に向けた取り組みが求められているという。

こうしたことから近年は液体変速機が不要で、電車との機器の共通化を図れる電気式気動車の開発や導入が進んでいる。

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