韓国の海運グループ「パンスターグループ」は12月3日、遊覧船「パンスターグレイス号」を新たに導入し、商業運航を開始したと発表した。もとはJR九州グループのJR九州高速船が運航していた「クイーンビートル」。プサン(釜山)沿岸エリアを周回するクルーズ運航を行う。

発着点は釜山沿岸旅客ターミナルで、ヨンド(影島)やオリュクト(五六島)を巡る。毎日3回の運航。11時00分出港の「釜山東海沿岸クルーズ」、16時00分出港の「サンセットクルーズ」(水~日曜は「サンセット&ディナークルーズ」)、19時30分出港の「花火クルーズ」(水~日曜は「花火ディナークルーズ)が設定されている。所要時間は2時間。
料金は釜山東海沿岸クルーズで4万ウォンから。パンスターグループは今後、運航範囲を広安大橋や海雲台など釜山沿岸のほかのエリアにも拡大する予定としている。

「パンスターグレイス号」はオーストラリアのオースタル社が建造した、三胴船(トリマラン)タイプの大型高速船。もともとはJR九州高速船が福岡(博多)~釜山を結ぶ国際航路向けに計画したもので、当初の船名は「クイーンビートル」だった。2020年7月に就航の予定だったが、コロナ禍の影響で2021年3月から国内クルーズの運航を開始。博多~釜山での運航開始は2022年11月にずれ込んだ。
2023年以降、「クイーンビートル」の船体にひび(クラック)が発生していたことが確認され、浸水トラブルが多発。さらにJR九州高速船が国への報告を怠っていたのに加え、浸水を検知する装置の位置をずらすなど隠蔽工作を行っていたことも発覚し、昨年2024年8月をもって運航を終了した。これに伴い、JR九州グループは船舶事業から撤退。「クイーンビートル」をパンスターグループに売却していた。
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