松山市は伊予鉄道高浜線の松山観光港への延伸構想について、関係者を交えた勉強会を設置して協議する方針を固めた。長らく中長期的な課題と位置付けられてきたが、一歩前進する可能性が出てきた。

松山市の野志克仁市長は3月から4月にかけ、高浜線の延伸構想に対しての考えを明らかに。野志市長は「(高浜線の)延伸は、利用者のアクセス性向上やバス運転士不足への対応につながるなどの利点がある」としつつ「工事費だけでなく、用地補償などに多額の事業費が想定されるため、需要予測に加え費用対効果や事業採算性、技術的な課題などを整理し、国・県・市・交通事業者で検証する必要がある」とした。
また、野志市長は「延伸は本市単独で実現できるものではない。関係機関と綿密に調整する必要があると考えている」とし、今後については「まずは、実際に運行する交通事業者と勉強会を設立し、運行の現状や課題を共有しながら、実現可能な事業スキームを探っていきたい」との考えを明らかにした。
高浜線は松山市駅と高浜駅を結ぶ、全長9.4kmの伊予鉄道の鉄道路線。終点の高浜駅は高浜港に隣接し、鉄道と船舶の連絡が図られている。戦後は船舶の大型化に伴い高浜港から北に離れた場所に新港の整備が計画され、1967年に松山観光港として使用を開始した。
このため、高浜線から松山観光港への連絡はあいだにバスや徒歩を挟む形になり利便性が低下。高浜線を高浜駅から松山観光港まで延伸することが考えられるようになった。2005年度には愛媛県が複数の延伸案を調査したが、事業費や費用対効果の面で課題があり、実現していない。

その一方で愛媛県は昨年2025年9月に策定した「松山港中・長期ビジョン」で、鉄道の延伸などによる松山観光港の利便性向上を長期的な施策として盛り込んだ。松山市も今年2026年3月に策定した「松山市地域公共交通計画」で「鉄道の延伸など松山観光港と高浜駅の連携・強化について検討」との文言を盛り込んでいた。
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