スキー列車「シュプール号」復活 夜行で首都圏から越後湯沢へ、背景に宿泊費高騰



JR東日本びゅうツーリズム&セールスは、首都圏から夜行の団体臨時列車に乗って新潟県湯沢町のスキー場に向かう旅行商品「首都圏からスキー場まで一夜で結ぶ夜行列車『想い出のシュプール号』」を発売する。かつてJRが運行していた臨時列車「シュプール号」の名称が復活する。

「想い出のシュプール号」で使用されるとみられるE257系。【画像:JR東日本びゅうツーリズム&セールス】

出発日は来年2026年1月30日。深夜に大船駅や横浜駅、新宿駅で「想い出のシュプール号」に乗り、翌日早朝に越後湯沢駅で下車する。JR東日本びゅうツーリズム&セールスが公表したイメージによると、車両はE257系特急型電車を使用するとみられる。越後湯沢駅からは送迎バスか貸切バスに乗り、湯沢町内の各スキー場に向かう。行程に復路は含まれておらず、旅行商品は片道のみの販売になる。

旅行代金は訪問するスキー場や利用する座席によって異なる。GALA湯沢スキー場に行く場合は1万6000円から。スキー場のリフト1日券とスキー場までの送迎が付く。「想い出のシュプール号」乗車のみのフリープラン(1万2000円から)もある。JR東日本びゅうツーリズム&セールスの旅行サイト「日本の旅、鉄道の旅」で発売する。

「シュプール号」は国鉄時代の1986年1月に運行が始まった、JRのスキー客専用臨時列車。このころ、スキー客向けのツアーバスが発達し、鉄道でスキー場に向かう客が減少していたことから、ツアーバスへの対抗策として企画された。

原則として往路は夜行でスキー場に朝早く到着するダイヤを組み、スキー場の滞在時間を拡大した。切符は一般の臨時列車と異なり発売場所を旅行センターや旅行会社に限定。駅からスキー場に向かうバスをセットで発売するなどしてスキー客のみ利用できる列車にし、一般客との乗り合わせがないよう工夫した。

初運行となった1986年1~3月は、横浜~山形を結ぶ「シュプール蔵王」と大船~小出の「シュプール上越」、東京・上野~妙高高原の「シュプール信越」、千葉~信濃森上の「シュプール白馬」が設定された。各列車ごとに絵入りのヘッドマークも制作されている。

国鉄が「シュプール号」の初運行に向けて出した広告。絵入りのヘッドマークも制作された。【出典:『国鉄線』1985年10月号、交通協力会】

その後もJR北海道とJR四国を除いて「シュプール号」の運行地域が拡大したが、スキー客がツアーバスに加えて新幹線や自家用車にシフトするなどして衰退。2000年代前半には運行を終了した。

JR東日本びゅうツーリズム&セールスは「宿泊代が高騰する中、この機会にぜひ夜行列車に乗ってウィンタースポーツを楽しみに越後湯沢に行ってみませんか」と呼びかけている。コロナ禍の収束による旅行需要の回復とインバウンドの復活が夜行「シュプール号」の企画の背景にあることを示唆している。

《関連記事》
JR東日本「新たな夜行特急列車」運行へ フルフラット個室グリーン車、特急電車を改造
博多~西鹿児島の夜行列車「ドリームつばめ」21年ぶり運行 「かいもん」後継
新潟県高速鉄道ネットワーク:長岡~上越妙高など(未来鉄道データベース)