JR東日本は6月10日、「新たな夜行特急列車」を首都圏エリア~北東北エリアなどで運行するとし、現時点での内外装のイメージを発表した。2027年春から運行を開始する予定。

「新たな夜行特急列車」は10両1編成で、特急型電車のE657系を改造する。5号車がラウンジ・販売スペース車で、それ以外はすべて個室タイプのグリーン車指定席。1・10号車が「プレミアムグリーン」で、2・3・4・6・7・8・9号車は「グリーン」になる。6号車には車椅子利用者に対応したグリーン個室も設ける。


外装は車両全体を2色の青が包み込むようなイメージとし、1号車側と10号車側で異なるカラーリングを施す。1号車側は「夜行列車(ブルートレイン)の記憶を受け継ぐ明るい青『メモリアルブルー』」を採用。10号車側は「真夜中から夜明けへと向かう時の流れを象徴する濃紺『ミッドナイトホライズン』」を配する。
2色の青を白いラインでつなぐことで「夜明け前の一瞬の輝き『ブルーモーメント』」を描き出す。JR東日本は「かつての夜行列車の旅の楽しさを受け継ぎながら、地域の皆さまとともにその地域の新しい未来を切り拓いていくという私たちの意志を込めました」とアピールしている。


プレミアムグリーンは1人用個室と2人用個室の2種類。L字型ソファを配し、座面を組み替えることでフルフラットのベッドスタイル(2人用個室で幅190cm×長さ200cm程度)に転換することができる。玄関や荷物置きとして使用可能なスペースも設ける。

グリーンは1人用・2人用・4人用の個室を配置。1人用と2人用は座席を簡単な操作でフルフラットに転換できるようにする。フルフラット時の大きさは1人用個室が幅90cm×長さ195cmで、2人用個室は幅185cm×長さ200cm。



一方、4人用は常時フルフラットで玄関・荷物置きスペースも設ける。フルフラット席の大きさは幅325cm×長さ195cmだ。

JR東日本は運行エリアや運行時刻、利用料金、列車名などの詳細について今後改めて案内するとしており、今回公表したイメージについても今後の検討や車両改造を進めていくうえで変更になる場合があるとしている。

「新たな夜行特急列車」はJR東日本グループの経営ビジョン「変革2027」で掲げている「移動を楽しく、快適・便利に」の実現に向けた施策の一環。JR東日本は「夜行列車による日常を離れた旅の体験を通じ、鉄道で旅をするワクワクした気持ちを多くのお客さまに思い起こしていただくとともに、運行を通じてJR東日本エリアの豊かな自然や文化を国内外に発信し、観光の活性化を目指していきます」としている。
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