2本の列車「走りながら連結・分離」技術開発、フランスで初の試験



イスラエルの新興企業「ダイレクトレインズ」は、走りながら列車の連結・分離を行うシステム「ダイナミック・カップリング」(DC)の研究・開発を進めている。同社は6月、フランスで初のフィールド試験を実施したと発表した。

併結運転を行っている東北・秋田新幹線「はやぶさ・こまち」。駅停車時に連結しており走行中の連結は行っていない。分離もシステムトラブルによるものを除き通常は駅停車時に行っている。【撮影:草町義和】

初試験では重さ22.5tの模擬車2両を使用し、DC用に開発した連結器を設置。2両を同時に走らせるのではなく、停止した状態の1両にもう1両が低速で近づいて連結した。水の入ったコップを模擬車に設置していたが、連結時も水がこぼれることはなくスムーズに連結したという。最終的には120km/hの速度で連結することを目指す。

ダイレクトレインズが公表したフィールド試験の動画。【動画:ダイレクトレインズ/YouTube】

2本の列車を走行中に連結、分離する運用は、駅などに停車して連結、分離するより時間を短縮できるのに加え、線路容量を増やすことなく輸送力を向上できるとされる。これまでも「ソフト連結」「仮想連結」などと呼ばれる技術が研究されている。これは後続列車が先行列車に50cm~1m程度まで接近し、その後は無線通信により一定の間隔で走るよう制御。実質的に「連結」して運行するものだ。

ダイレクトレインズの方式はこれとは異なり、2本の列車が物理的に連結する。同社の関係者は仮想連結について「(列車制御の)通信の遅延や自動列車運転装置(ATO)の反応時間の延長、突然の緊急ブレーキによる懸念」があるとし、物理的連結のほうが安全上のリスクが少なくなるとしている。

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