熊本県は6月18日、熊本空港アクセス鉄道(仮称)の「整備ルート絞り込み案」を公表した。これまで同県が公表していたルート案は約1.5kmの幅を持たせた大まかなものだったが、今回の案では幅を約500mに縮めた。

熊本県が公表した概要図などによると、従来のルート案のほぼ中央に単線の線路を整備。熊本空港の南側に乗り入れる。


豊肥本線から分岐する部分は、肥後大津駅から平面で分岐後、緩やかに上昇して盛土区間に入る。右にカーブして盛土から高架橋に移り、国道57号の上を通り抜ける。熊本県は大型物件を極力避け、既存施設などへの影響を最小限に抑えるとしている。

中間部付近は高架橋で南下し、高遊原台地に到達後はトンネル構造にする。単線鉄道での速達性確保のため列車の行き違いを行う施設も整備する。熊本県は行き違い施設に加えて中間駅構想も検討中としているが、行き違い施設と中間駅の想定位置は示していない。

終点の熊本空港付近は中間部から引き続きトンネル構造とし、空港南側の地上に出る。熊本空港駅(仮称)は「開業効果の周辺地域への広がりや将来の発展性が期待できる」として、空港敷地外の南側地上に整備する。一方でホームの位置やターミナルビルへの接続は「利用者の利便性の確保を第一に、空港管理者等関係機関と構造や設備等の諸条件を調整し、今後具体化する」としている。

熊本県は今後、物価高騰などを踏まえた概算事業費の見直しと需要予測、費用便益比(B/C)の分析、収支採算性の再算定を実施。9月に公表する考えだ。
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