東京都交通局は5月20日、「都電(TODEN)車両リニューアルプロジェクト」を始動すると発表し、同時にリニューアル車のイメージも公表した。ドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏が協力し、都電荒川線で運用している8500形電車1両をリニューアルする。

デザインコンセプトは「楽しい都電」。外装は昔の都電をほうふつとさせる山吹色を採用する。内装は木材を活用。座席は多様なパターンでデザインするという。


車両のリニューアルに際しては「この車両を皆様と共に作り上げるため」としてクラウドファンディング(CF)を実施。目標金額は1700万円とし、支援金は改装費の一部に充てる。返礼品は車内の名称記載権やリニューアル車の披露式招待・一番列車乗車など。CFの実施期間は5月23日~7月22日。
リニューアル車の運行開始は2026年春ごろの予定だ。
8500形は1990年から1993年にかけて5両が製造された。荒川線を除く都電の全廃後に新造された車両で、当初から高床ホームに対応した車体を採用。都電では初となるVVVFインバーター制御を採用した。製造から30年以上が過ぎている。

交通局は「コンパクトながらも機能性や多様性を備えたデザインとすることで、都電を日々の交通手段だけではなく、観光目的で楽しみながら移動できる空間へと生まれ変わらせます」としている。
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