兵庫県の西宮市・尼崎市と阪急電鉄は4月10日、「新駅設置事業」に着手したと発表した。まず詳細設計を進め、本格的な工事に着手する。

新駅が設けられるのは阪急神戸線・武庫之荘~西宮北口で、西宮市と尼崎市の境界上を流れる武庫川の上に設置。隣接駅からの距離は武庫之荘駅から約1.6km、西宮北口駅から約1.7kmになる。
ホームの構造は2面2線で8両編成に対応。武庫川橋梁の下り線と上り線のあいだに、それぞれホームを整備する。ホームの武庫之荘寄りには尼崎市側改札を設置。西宮北口寄りには西宮市側改札を設ける。


3者は2021年9月に新駅の具体化に向け合意。2022年11月に基本合意書を締結し、今年2025年4月4日に基本協定書を締結した。2022年11月時点では新駅の整備費を約50億円と見込んでいたが、今回の合意では人件費や資材費の高騰を受けて1.7倍の約86億円とした。
整備費は西宮市・尼崎市・阪急電鉄の3者がそれぞれ3分の1ずつ負担し、西宮市と尼崎市の負担分は国庫補助も活用する予定。工事は阪急電鉄が行う。また、新駅設置にあわせて西宮市側と尼崎市側に設ける改札口付近に自転車駐車場などを整備する。

本年度2025年度から詳細設計に着手。鉄道事業法に基づく事業基本計画変更や鉄道施設変更など工事着手に向けた各種手続きを進める。新駅設置工事は来年度2026年度から本格的に着手する予定だ。開業は2031年度末を目指す。
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