日本郵便関東支社とJR東日本千葉支社は5月16日、外房線の鵜原駅(千葉県勝浦市)で郵便局窓口業務と駅窓口業務の一体運営を行うと発表した。郵便局を鵜原駅に移転し、郵便局が駅窓口業務の一部を取り扱う。

この取り組みでは、鵜原駅に郵便局舎と駅舎を一体化した施設を新築。駅の近くにある勝浦鵜原郵便局をこの施設に移転し、局名も「鵜原駅郵便局」に改称する。6月16日から営業を開始する。
鵜原駅郵便局は郵便や印紙、ゆうパックなどの取り扱いに加え、JR東日本の交通系ICカード「Suica」へのチャージ、精算、発車時刻・運賃の案内などの駅窓口業務も行う。普通乗車券や定期券などの発売は行わない。
郵便局窓口としての営業時間は平日の9時から17時(貯金・保険は16時)までで、ATMサービスは平日の9時~17時30分と土曜の9時~12時30分。駅窓口としては平日の9~16時に営業する。これ以外の日・時間と年末年始の12月31日~翌年1月3日は営業しない。

鵜原駅は外房線の勝浦~上総興津にある駅。正式には無人駅ながら地元に切符の販売を委託する「簡易委託」を導入して実質的には有人駅だったが、2017年に簡易委託が終了して完全な無人駅になっていた。郵便局との一体運営により有人駅に戻る。
JR東日本と日本郵便の2社は2020年、内房線の江見駅敷地内に駅と一体化した郵便局舎を整備し、郵便窓口業務と駅窓口業務の一体運営を開始。その後も内房線の安房勝山駅や宇都宮線の蒲須坂駅など、駅と一体化した郵便局の整備がJR東日本管内の各地の駅で進んでいる。
駅窓口としての業務は一部に限定され郵便局の営業時間外は従来通り無人駅のままだが、コストを抑えつつ駅の実質的な有人化を図ることができ、利用者が少ない駅でも鉄道サービスの維持・向上を期待できるなどの利点がある。
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