名鉄は5月8日、新型車両「500系」電車を導入すると発表した。豊田線・犬山線と名古屋市営地下鉄鶴舞線の直通運転用。100系電車の後継車両として来年度2026年度から運行する。

500系は6両編成。名古屋本線などで運行されている9500系電車と同等の性能を備えたうえで、鶴舞線との相互直通運転に対応する。1両の長さは20mで側面片側4カ所にドアに設ける。
外装デザインは名鉄車両の標準色といえる赤(スカーレットレッド)のほか青の帯も加える。青は鶴舞線のラインカラーでも使われている色だが、名鉄は鶴舞線の青ではなく「名鉄グループの経営ビジョンスローガン『名鉄×WAO!』ロゴで使用されている青」としている。正面は左右非対称のデザインを採用して「これまでの名鉄にない新しさ、斬新さを創出します」としている。
車内デザインは木目調の大型袖仕切りとベージュ系の壁を採用して「落ち着いた温かみのある空間」を演出。丸みを帯びた袖仕切りの形状により圧迫感の軽減を図る。シート生地には明るい青色を使うことで「全体的に柔らかな、親しみやすい雰囲気」を生み出すとしている。

すべての車両に車椅子スペースと優先席を設置。また、大型袖仕切り部には子供にも持ちやすい高さの握り棒を設ける。車内案内表示器は日本語・英語・中国語・韓国語の多言語表示でインバウンドに対応。防犯カメラは運転指令などでリアルタイムに映像を確認できる機能を搭載する。

走行装置はSiCを使用したVVVFインバーター制御装置を採用。消費電力は従来の通勤車両の100系電車に比べ最大35%削減する。
名鉄豊田線・犬山線の直通列車は現在、名古屋市営地下鉄のN3000形電車と3050形電車、名鉄の100系と200系電車が運用されている。このうち100系は1979年1月のデビューで最も古い。
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