大井川鉄道「12系」現地搬入 「トーマス」など冷房化、数カ月後にも営業運行へ



大井川鉄道(静岡県)がJR西日本から譲り受けた12系客車5両が7月25日までに、新金谷駅の構外測線に搬入された。数カ月後にも営業運行に入り、これまで非冷房の客車を使用していた観光列車の冷房化を図る。

大井川鉄道が譲り受けた12系(後方)とブルートレイン塗装をまとった電気機関車「ED31 4」。【画像:大井川鉄道】

大井川鉄道が今回譲り受けた12系は、スハフ12形2両(スハフ12 129・155)とオハ12形3両(オハ12 341・345・346)。いずれも外観は青をベースに白い帯を巻いた「ブルートレイン塗装」で、製造当初から冷房装置が搭載されている。

5両のうち3両は「きかんしゃトーマス号」の冷房車として使用。夏季限定で機関車のすぐ後ろに連結する。残る2両もSL列車の客車として使用する。また、夜行列車や食堂車などのイベント列車でも使用できるよう、着脱可能な装備・備品を設置する予定だ。

JR西日本から譲り受けた12系。いずれもブルートレイン塗装で冷房装置を搭載している。【画像:大井川鉄道】
12系の車内。【画像:大井川鉄道】

今後は大井川鉄道の線路にあわせた整備や、運輸局への登録手続きを行い、試運転を経て営業運行に入る。大井川鉄道は10~11月ごろの営業運行開始を目指すとしている。

大井川鉄道は冷房付き電車で普通列車を運行しているが、「きかんしゃトーマス号」を含む機関車牽引の観光列車は冷房がない旧型客車を使用。同社は近年の温暖化に対応するため、12系の導入により観光列車の冷房化を図るとしている。このほか、大井川鉄道はE31形電気機関車1両を「ブルートレイン塗装」に塗り替えて「ED31 4」として運用しており、国鉄時代のブルートレインを再現した観光列車も運行する計画だ。

大井川鉄道の「きかんしゃトーマス号」(2016年)。冷房装置を搭載していない旧型客車を使用している。【撮影:草町義和】

大井川鉄道の鳥塚亮社長は7月25日の報道公開で「鉄道マニアはいいが、(トーマス号の利用層である)子供や母親からは『ちょっと冷房ないのは……』という声が多い。今夏は間に合わないが、来年(2026年)の夏からは冷房付きの車両をトーマス号に連結して走らせる」と話した。

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