「横浜ノース・ドック」米軍専用線が返還 瑞穂ふ頭のもと国鉄貨物支線



瑞穂ふ頭に伸びる米軍専用線の橋りょう。【撮影:草町義和】

横浜市の政策局基地対策課は3月31日、在日米軍が管理している瑞穂ふ頭(神奈川区)とその周辺の土地・鉄道線路が日本側に返還されたと発表した。防衛省の南関東防衛局が横浜市長に通知した。

返還されたのは、東海道本線貨物支線(高島線)から瑞穂ふ頭内の米軍港湾施設「横浜ノース・ドック」に延びる専用線。高島線の分岐点から瑞穂ふ頭につながる橋りょう手前までの鉄道敷地(約1200平方m)と、橋りょうの先にある国有地(約200平方m)が返還されるほか、専用線の全線に渡りレールなどの工作物が返還される。

この専用線は1935年、貿易貨物を運ぶ国鉄の貨物支線として開業。瑞穂ふ頭につながる橋りょうは日本初の溶接鉄道橋で1934年に建造された。

返還される土地や工作物の位置。【画像:防衛省】

戦後は貨物支線を含む瑞穂ふ頭が米軍に接収され、1958年以降は米軍専用線として2000年代まで使われていたが、今年2021年1月に日米合同委員会が遅くとも3月31日までの日本側への返還で合意していた。南関東防衛局は今後、原状復帰のため工作物の撤去を行う予定。瑞穂ふ頭の外にある橋りょう手前の土地はJR貨物に返還される。