JR東海は9月4日、高山本線の全線開通90周年を記念した列車を10月25・26日に運行すると発表した。同線の特急列車で運用している新型の特急型気動車のHC85系を使用。高山本線に加え太多線や中央本線も走る。
運行時刻は10月25日が名古屋8時53分発→高山15時08分着の予定。途中、車両基地の美濃太田車両区に立ち寄り、そのまま洗浄線を通過する。10月26日は高山12時15分発→名古屋17時20分着の予定。太多線と中央本線を経由して走るほか、高山本線をかつて走行した車両の備品などが当たる抽選会を行う。
このほか、JR東海の運転士がデザインしたヘッドマークをHC85系の前面に掲出。下呂駅で停車して地域の人によるおもてなしなどを行う予定だ。
乗車にはJR東海ツアーズが企画した「特急『高山本線全線開通90周年記念号』!メモリアルツアー・高山」の旅行商品を購入する必要がある。「往路のみ」「復路のみ」「往路復路満喫コース(宿泊付き)」の3コースを設けた。申し込みは9月6日12時からJR東海ツアーズのウェブサイトで受け付ける。
高山本線は岐阜~富山の225.8kmを結ぶ鉄道路線。岐阜・富山県境付近にある猪谷駅を境に岐阜寄りをJR東海、富山寄りをJR西日本が運営している。1920年に岐阜~美濃太田が開業し、その後順次延伸。1927年からは富山側からも建設が進められ、1934年10月25日の飛騨小坂~坂上の開業をもって全線開業した。
HC85系は2022年にデビューした新型のハイブリッド式気動車。キハ85系特急型気動車の更新を目的に開発された。現在は東海道本線~高山本線の特急「ひだ」と関西本線~伊勢鉄道~紀勢本線の特急「南紀」で運用されている。JR東海によると、HC85系での美濃太田車両区への入区や通常は乗り入れることがない中央本線・太多線での走行は初企画という。
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