岐阜県の坂祝町(さかほぎちょう)と日本郵便東海支社、JR東海の3者は9月4日、高山本線の坂祝駅に駅と郵便局を一体化した建物などを整備すると発表した。
現在の坂祝郵便局の老朽化に伴い、同郵便局を坂祝駅の敷地内に移転。駅機能としての旅客通路(待合室)と郵便局の窓口業務が一体になった建物を整備する。このほか、坂祝町が駅前ロータリーや公衆トイレを整備する。
現在の予定では、まず今月9月から現在の坂祝駅の駅舎を撤去。来年2025年6月から郵便局舎の建設と公衆トイレの整備を行う。2026年3月に郵便局をオープン。同年4月には駅前ロータリーを整備する。3者によると、鉄道駅の機能と郵便局の窓口業務が一体になった建物の整備事業は、日本郵便東海支社エリア内とJR東海管内では坂祝駅が初めてという。
坂祝駅は1921年に開業。2004年に無人化されている。コロナ禍前の利用者数(1日平均の乗車人員)は400人台で推移していた。
近年はJR東日本が日本郵便と連携し、郵便局と一体化した駅舎の整備を進めている。2020年8月、内房線の江見駅(千葉県鴨川市)で郵便局と一体化した駅舎の使用を開始。その後も郵便局を併設した駅舎がJR東日本管内の各地の駅で整備されている。
JR東日本と日本郵便の連携では、運賃精算や列車発車時刻の案内など駅窓口業務の一部を日本郵便が受託。実質的に駅の有人化を図っている。3者は坂祝郵便局の窓口では駅の窓口業務などを取り扱わないとしており、実質的には無人駅と郵便局が隣接するだけの格好になりそうだ。
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