北海道新幹線・渡島トンネルの掘削完了「3工区」に 2工区は工事難航



鉄道・運輸機構は4月24日、北海道新幹線・渡島トンネルの上二股工区の工事が隣接する北鶉工区に到達したと発表した。これにより新函館北斗~札幌のトンネル40工区のうち22工区で本坑の掘削が完了した。

渡島トンネルの上二股工区が北鶉工区に到達したときの模様(2025年4月21日)。【画像:鉄道・運輸機構】

渡島トンネルは新函館北斗~新八雲(仮称)のトンネルで全長約32.7kmの計画。完成した場合、2本のレール上を列車が走る鉄道(普通鉄道)の陸上トンネルとしては日本一の長さになる。工事は七つの工区に分かれており、上二股工区は新函館寄りから6番目の工区で長さは約4.5km。厚沢部町と八雲町にまたがる部分になる。2017年に着工し、今年2025年4月21日に北鶉工区に到達した。

渡島トンネル上二股工区の位置。【画像:鉄道・運輸機構】

上二股工区の掘削完了により、渡島トンネルで掘削が完了したのは3工区に。掘削が完了していないのは台場山・天狗・南鶉・上ノ湯の4工区になった。掘削率(4月1日時点)は天狗工区が90%で上ノ湯工区が87%。これに対して台場山工区は46%、南鶉工区は45%で、地質不良のため工事が大幅に遅れている。鉄道・運輸機構によると、台場山工区は3交代24時間体制で掘削しており、南鶉工区では2切羽で掘削中という。

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