江ノ島電鉄「新型車両」20年ぶり導入へ 視線が海側を向く座席、三つのテーマカラー



江ノ島電鉄は4月24日、新型車両「700形」電車を導入すると発表した。既存の1000形電車に代わる車両と位置づけ、2026年から運用を開始する。

新型車両「700形」のイメージ。【画像:江ノ島電鉄】

車体前面は傾斜した大きな前面ガラスやシャープなアイラインでデザイン。前面ガラスの拡大により視界を広げ、湘南の眺望を意識した車両に。窓には鉄道車両で初めて採用するフィルムを貼り付け、飛散防止を図るとともにまぶしさを抑え、色鮮やかな景色を楽しむことができるようにするという。

車内の座席は座っている人の視線が海側を向く配置に。座席や床の色は鎌倉・江の島をイメージした三つのテーマカラー「江ノ電グリーン」「江の島ブルー」「鎌倉ストーングレー」を採用する。

「江ノ電グリーン」はタンコロから歴代車両へと続く伝統色の位置付け。「江の島ブルー」は美しい海沿いの景色のイメージだ。「鎌倉ストーングレー」は古都鎌倉のゆとりや落ち着きを感じさせる色合いとした。また、バリアフリー対応に加え、多言語放送も実施。安全対策として車内防犯カメラや車両側面カメラ、通話型の非常通報装置を設置する。

「江ノ電グリーン」による車内のイメージ。【画像:江ノ島電鉄】
「江の島ブルー」による車内のイメージ。【画像:江ノ島電鉄】
「鎌倉ストーングレー」による車内のイメージ。【画像:江ノ島電鉄】

走行装置はVVVFインバーター制御装置や回生ブレーキを採用。消費電力量は1000形(抵抗制御)と比較して約49%低減する。

江ノ島電鉄が新型車両を導入するのは、2006年の500形電車以来20年ぶり。同社は700形の開発コンセプトを「日常から非日常まで 想いを紡ぐENODEN」とし、「沿線に暮らす人々と鎌倉・江の島を訪れる人々、それぞれの想いやときめきを紡ぐ存在となる明るく未来志向の車両」を目指すとしている。

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