東京メトロと東武鉄道の2社は4月17日、現在事業中の東京メトロ有楽町線延伸区間と東武伊勢崎線方面の相互直通運転を行うことで基本合意したと発表した。東京臨海部と埼玉東部方面のアクセス向上を図る。

2社によると、相互直通運転は有楽町線延伸区間の開業にあわせて実施。10両編成の列車が有楽町線の延伸区間と「半蔵門線(住吉・押上間)及び東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線」に乗り入れる。直通運転の区間や運行計画は今後検討、協議する。
相互直通運転を実施した場合の所要時間は、豊洲~春日部が現行約61分のところ8分短縮の約53分に。草加~東陽町は現行約40分のところ11分短縮の約29分、豊洲~押上は現行約22分から8分短縮の約14分になる。いずれも現在は乗り換えが2回必要だが、直通運転により乗り換えが解消される。
相互直通運転の実施による他路線の混雑緩和も見込んでおり、混雑率は日比谷線が7%の低下、千代田線は3%の低下を想定しているという。

2社は相互直通運転の実施により「両社沿線地域の魅力的なまちづくりや東京圏の国際競争力の強化に貢献するとともに、新たな鉄道需要を開拓していきます」としている。
東京メトロ有楽町線は、東武東上線の和光市駅から東京都心部を横断してJR京葉線の新木場駅を結ぶ28.3kmの地下鉄路線。途中の豊洲駅で分岐して住吉駅に至る約5.2kmの延伸区間が事業中で、東京メトロは2030年代半ばの開業を目指している。

住吉駅では東京メトロ半蔵門線の線路と接続。半蔵門線は東武伊勢崎線・日光線(東武スカイツリーライン)との相互直通運転を実施している。線路の構造上、有楽町線延伸区間から半蔵門線を経由して東武伊勢崎線方面に乗り入れることは可能だ。
東京メトロは有楽町線延伸区間から半蔵門線への乗り入れについて、従来は「具体的な運行計画はない」とし、東武伊勢崎線方面への乗り入れについての考えも示していなかった。
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