ソフトバンク「JRグループ内線電話」終了 国鉄時代からの鉄道電話の歴史に幕



ソフトバンクは4月14日、JRグループを中心とした法人向け電話サービス「JR電話サービス」を終了すると発表した。国鉄時代から続いた鉄道電話の歴史に幕を閉じる。

鉄道電話の電話交換機。【出典:『国鉄線』1954年6月号、交通協力会】

まず来年2026年4月1日に新規受付を終了。2027年3月31日をもってサービスを終了する予定だ。ソフトバンクはサービスの終了について、設備が老朽化したためとしている。

このほか、「JR携帯電話サービス」を提供しているトランスネットもサービスの終了を発表。「JR電話サービス」と同様、2026年4月1日に新規受付を停止し、2027年3月31日をもってサービスを終了する。

JR電話サービスは1880年から整備が始まった、国鉄の鉄道電話を起源に持つ法人向け電話サービス。国鉄の指令所や駅、車両基地を結ぶ電話網が公衆電話網とは別に構築された。JRグループの内線電話網といえるが、JRの関連会社やJR線との相互直通運転を行っている私鉄、JRの取材が多い鉄道雑誌の出版社なども導入している。電話番号は3桁の局番号と4桁の加入番号で構成されている。

JRとの関係が深い、ある出版社の名刺の連絡先欄。NTTの電話番号に加えJR電話サービスの電話番号も併記されている。

1987年の国鉄分割民営化に伴い、国鉄の鉄道電話は全国1社の関連会社「鉄道通信」が継承。のちに鉄道通信は日本テレコムとの合併などを経て現在のソフトバンクに合流し、JRグループの電話サービスもソフトバンクが引き継いでいた。

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