北九州市の中心部に位置する小倉駅。ここから500mほど西へ進むと、鹿児島本線と日豊本線の線路が分かれる地点に西小倉駅がある。この駅の改札とホームをつなぐ跨線橋(こせんきょう)には、鉄道車両の構造物が使われているという。
西小倉駅は、南側の1・2番線ホーム上に橋上駅舎を設置。ここから北側の3・4番線ホームと5番線ホームへ跨線橋が伸びている。跨線橋の幅は6mくらい。その橋桁を下から見てみると、東半分と西半分で形状が異なり、西側は鉄道車両の台枠(底面)とよく似ている。
3・4番線~5番線ホームを結ぶ桁の両端には、車両の連結器を設置するスペースがある。1・2番線~3・4番線ホームの桁は連結器のスペースだけでなく、台車のピン穴らしきものも見えた。
現在の西小倉駅がある場所は、1958年まで小倉駅(2代目)があった場所。1974年12月、西小倉駅として改めて駅が新設された。当初は日豊本線のホームしかなかったが、国鉄分割民営化後の1987年10月、鹿児島本線の線路にもホームが設置された。このときに鉄道車両の台枠を「改造」した跨線橋を整備したのだろうか。
それにしても、どの車両の台枠を使っているのか。1・2番線~3・4番線ホームと3・4番線~5番線ホームのどちらの桁も、長さは国鉄・JR在来線の旅客車両の標準となっている20mには及ばない。だとすれば貨車の台枠だろうか。JR九州の広報部に問い合わせたところ、「以前も同じ問い合わせがあって調べてみたが、分からなかった」という。
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