栃木県那須町は那須ロープウェイ延伸構想の調査を本格化させる。本年度2025年度当初予算に「湯本地区活性化事業」として1824万8000円を計上。延伸構想の検討と実現可能性の検証などを行う。

那須ロープウェイは栃木県内で路線バスを運行する関東自動車が運営。那須岳(茶臼岳)7合目の山麓駅から9合目の山頂駅まで0.8kmを結んでいる。
那須町の想定によると、山麓側を段階的に延伸する。まず山麓駅から大丸駐車場まで約600m延伸。続いて大丸駐車場から恋人の聖地を経て那須湯本温泉近くの那須高原ビジターセンターまで約3.2kmを延伸するという。那須町は湯本地区の観光の活性化に加え、環境・渋滞対策につなげる考えだ。

那須ロープウェイの延伸については2020年、那須町の平山幸宏町長が環境省に支援を要望。2022年3月に那須町が策定した『第4次那須町観光振興基本計画』では、奥那須地区の渋滞対策や観光振興推進としてマイカー規制や駐車場整備に加え、那須ロープウェイの延伸の調査・研究を盛り込んでいた。
那須町の想定通りに延伸が実現した場合、既設区間を含めた全長は約4.6kmになる。索道事業の路線としては新潟県湯沢町の苗場スキー場~かぐらスキー場(田代)を結ぶゴンドラ「ドラゴンドラ」(約5.5km)に次ぐ長さだ。
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