名鉄名古屋駅「4線化」構造や工事スケジュールなど発表 2段階で改良へ



名鉄は5月26日、名古屋駅地区の再開発計画にあわせて実施する「名鉄名古屋駅再整備計画」の工事スケジュールなど概要を発表した。施設の老朽化が進む同駅を2段階に分けて改良し、利便性の向上を目指す。

名古屋駅地区再開発計画の対象区域に整備されるビルのイメージ。この地下にリニューアルした名鉄名古屋駅が整備される。【画像:名鉄・名鉄都市開発・日本生命保険・近鉄・近鉄不動産】
名古屋駅地区再開発計画の対象区域。【画像:名鉄・名鉄都市開発・日本生命保険・近鉄・近鉄不動産】

工事は「1期リニューアル」と「2期リニューアル」に分けて実施する。1期工事では、現在の鉄道施設の範囲外で構築される再開発ビルの地下空間に線路を2線整備。ここに駅機能を移転する。これにより老朽化した鉄道施設の更新や昇降施設の増設による段差の改善、案内設備の刷新による空港利用者などの利便性向上、ホームやコンコースの拡張による大規模災害発生時の対応力向上などを図る。

現在の名鉄名古屋駅の範囲と再開発計画の対象区域。【画像:名鉄】
1期リニューアル完了時の駅の範囲。現在地より南に移転する。【画像:名鉄】
1期リニューアル完了時の駅の立体図。【画像:名鉄】

2期工事では現在の駅施設や線路などを撤去。再開発ビル地下に線路2線を追加整備して4線化し、中部空港アクセス列車用のホームを設置して空港アクセスの「わかりやすさ」と利便性向上を図る。ホームドアの設置や複数の旅客動線のバリアフリー化も実施する。

2期リニューアル完了時の駅の範囲。線路が4線に増強される。【画像:名鉄】
2期リニューアル完了時の駅の立体図。【画像:名鉄】

名鉄は「案内設備・駅務機器・内装等に最新技術を取り入れ、国際レベルのターミナル駅としての機能・装いを備える形で再整備することで、当社最大のターミナル駅としてふさわしいデザイン性に優れた先進的な駅を目指します」としている。

工事は来年度2026年度に着手。2033年度には1期工事を完了し、2040年代前半には2期工事を完了させる予定だ。投資額は約3200億円を見込む。

名鉄によると、名鉄名古屋駅は施設の老朽化が進行中。ホームやコンコースは狭くて段差も多い。さらに改札口が多数分散してうえ、同一ホームに複数方面の列車が発着していることから、利用者にとって分かりにくいなどの課題を抱えているという。

名鉄は「リニア中央新幹線開業と、これを契機に名古屋市などが進めるスーパーターミナル化を千載一遇の機会」とし、4線化をはじめとする名鉄名古屋駅の再整備を進める考えだ。

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