「今後はJR九州とも連携」小田急電鉄、箱根と新百合ヶ丘でマース実証実験



小田急電鉄は10月7日、スマートフォンのMaaS(マース)アプリ「EMot」(エモット)の実証実験を10月末から始めると発表した。

マースアプリの実証実験を行う小田急電鉄。【画像:たろとれ/写真AC】

エモットは「複合経路検索サービス」を提供。鉄道やバスに加え、タクシーやシェアサイクルなどの各種交通サービスを含めた経路検索が行える。検索結果で表示された乗り物は、エモットと連携するアプリやサイトで予約できる。また、フリー切符などの電子チケットの購入にも対応する。

10月末から行われるのは「観光型マース」と「郊外型マース」の実証実験。観光型マースの実証実験は箱根を中心としたエリアで行われる。アプリを使って箱根エリアのフリー切符を購入し、駅員にスマホの画面を提示することで各種交通機関を利用できる。

郊外型マースは小田急線の新百合ヶ丘駅を中心としたエリアで実証実験を実施。駅前にある小田急の商業施設「新百合ヶ丘エルミロード」で一定金額以上を買った客に対し、新百合ヶ丘駅から自宅最寄りのバス停までのバス無料乗車チケットを発行する。また、新宿駅と新百合ヶ丘駅の構内にある指定店舗で1日1回利用できるサービスチケットをエモットで定額販売する。

このほか、エモットは遠州鉄道(静岡県)のフリー切符の発売にも対応。小田急は今後、JR九州との連携による実証実験も検討するとしている。

マースはMobility as a Service(モビリティ・アズ・ア・サービス)の略。スマホアプリなど情報通信技術を活用することで、さまざまな乗り物のサービスを一体的に提供する。公共交通の活性化策としても期待されている。

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