東武東上線の50000系「モスバーガー電車」に 創業の地「なりもす」へ



東武鉄道の東上線に3月8日、「東武東上線モス号」がデビューした。ハンバーガーチェーン「モスバーガー」の1号店が東上線の成増駅(東京都板橋区)近くでオープンしてから50周年を迎えたことを記念したもので、モスバーガーを展開するモスフードサービスと東武鉄道のコラボ企画。初日は下板橋駅西側の留置線で「モス号」の披露式と出発式が行われ、関係者向けの臨時列車として成増駅まで走った。

「東武東上線モス号」として運行される50000系の第51003編成。【撮影:鉄道プレスネット】

車両は通勤電車50000系の第51003編成(10両)を使用。編成両端の先頭部にモスバーガー50周年を祝うヘッドマークが取り付けられた。車内の広告もすべてモスバーガーの広告に。過去50年に販売された商品の写真も掲出された。

車内もモスバーガー50周年の記念広告一色に。【撮影:鉄道プレスネット】

披露式と出発式には、モスフードサービスの中村栄輔社長と東武鉄道の金田泰明会長・社長室長、鉄道事業本部の福原秀之副本部長、農林水産省の赤松忠幸大臣官房審議官、東京都板橋区の坂本健区長、そして漫才コンビ「中川家」で鉄道マニアの礼二さんが出席。このうち中村社長と礼二さんは東武鉄道の制服を身にまとい、東武鉄道とのコラボ企画であることをアピールしていた。

「モス号」の披露式。制服を着用した中央の二人がモスフードの中村社長(左)と礼二さん(右)。【撮影:鉄道プレスネット】

臨時列車は10時59分頃、留置線を発車。まず上り線を走って池袋駅に入り、ここで20分ほど停車してから折り返し下り線を走った。礼二さんが車内放送をしながら、成増駅には11時48分頃に到着した。

礼二さんの車内放送を聞きながら成増駅へ。【撮影:鉄道プレスネット】

列車を降りると、駅名標が「なりもす」に変わっていた。これもモスバーガー50周年記念企画の一環で、「成増(なります)」と「モスバーガー」にちなんだもの。同駅南口にも「なりもす駅」の看板が掲出された。駅の南側には50年前の1972年にオープンしたモスバーガー1号店の成増店があり、こちらでは50周年記念商品が販売されていた。

成増駅ホームの駅名標は「なりもす」に。【撮影:鉄道プレスネット】
成増駅の南口にも「なりもす駅」の看板が設置された。【撮影:鉄道プレスネット】

成増駅に到着後、礼二さんは「鉄道と沿線は切っても切れない間柄。こういうことをやると地域に活気が出る」とコメント。中村社長は東武鉄道との連携について「いまの段階で業務提携や資本提携は考えてないが、いろんな企画を地元の人たちと一緒に作っていきたい。そこにおいて鉄道事業者は大きな存在と思うから、お客さんに喜ばれることであれば企画をしていきたい」と話した。

「モス号」は4月3日まで運行される予定。【撮影:鉄道プレスネット】

成増駅の「なりもす」駅名標・駅名看板の掲示と第51003編成「モス号」の運行は3月8日から4月3日までの予定。ホームの駅名標は6カ所12面で掲出され、「モス号」は東上線の池袋~小川町間で運行される。このほか、3月12日から東上線のおもな駅で「モスバーガー50周年記念乗車券」(1000円)が2000セット限定で販売される。

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