いすみ鉄道「キハ28」車両保存・3Dデータ化でCF実施 キハ58系「最後」の営業車



いすみ鉄道(千葉県)は11月15日、キハ28形気動車(キハ28 2346)の車両保存と3Dデータ化に必要な費用の一部をクラウドファンディング(CF)で調達すると発表した。

まもなく定期運行を終了するキハ28 2346。【画像:いすみ鉄道】

3Dデータ化ではレーザースキャンとフォトグラメトリーを実施し、車両のデジタルデータを作成する。車両の保存では塗装などの経年劣化対策とレール延伸、保存施設の補助を行うが、集まった金額に応じて検討するとしている。

目標金額は280万円。11月18日19時から来年2023年1月15日23時59分まで、CFサイト「うぶごえ」で受け付ける。返礼はキハ28形をデザインした1日フリー乗車券(5000円)やキハ28形の撮影会(3万円)、キハ52形の平日貸切運行(28万円)など。

キハ52 125と連結して走るキハ28 2346。【画像:いすみ鉄道】

キハ28形は国鉄急行形気動車「キハ58系」を構成する車両の1形式。キハ58形がエンジンを2台搭載しているのに対し、キハ28形は1台搭載している。キハ28 2346は1964年に製造され、1987年の国鉄分割民営化でJR西日本に引き継がれたが、2011年に引退した。

その後、いずみ鉄道が譲り受けて2013年に営業運転を開始。レトロ観光需要を背景にした観光列車として運用されてきた。JR旅客各社のキハ58系が全廃されて以降、同系列の車両としては国内最後の営業車両となっていたが、老朽化のため今年2022年11月27日をもって定期運行を終了する予定。

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