世界銀行は12月5日、トルコの「低炭素鉄道網の拡張」を支援するための融資を理事会で承認したと発表した。
支援対象はトルコ東部のディヴリギとカルスを結ぶ約660kmの鉄道を電化するプロジェクト。トルコから旧ソ連構成国のジョージアを経て、カスピ海沿岸のアゼルバイジャンに抜ける鉄道ルートの輸送力を強化する。融資額は6億6000万ドル(約997億円)。
世界銀行によると、トルコの物流は道路交通に大きく依存している。この鉄道電化プロジェクトで移動時間と物流コストが削減され、トルコの東西の接続性が向上するという。
トルコと旧ソ連を結ぶ鉄道はカルスから現在のアルメニアに抜けるルートで整備されたが、ソ連崩壊後、トルコとアルメニアの関係悪化で閉鎖。2017年、ジョージア経由でトルコとアゼルバイジャンを結ぶバクー・トビリシ・カルス鉄道(BTK)が開業した。
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