嵯峨野観光列車「新たなトロッコ列車」導入へ イメージ公表、現行車両は引退へ



嵯峨野観光鉄道は3月21日、「新たなトロッコ列車」を導入すると発表し、イメージを公表した。現在の車両を更新する。

「新たなトロッコ列車」のイメージ。【画像:嵯峨野観光鉄道】

新たなトロッコ列車は嵯峨野観光鉄道と同じJR西日本グループのJR西日本テクノスが製作。牽引車と客車で構成される。車体衝突時の安全対策や、モニター装置の採用による異常検知・故障時の乗務員支援などを盛り込む。

サービス面では乗り心地の向上や座席間隔・通路幅の拡大を図り、天井や側面をガラス張りにした開放感のある車内にする。日本語・英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語の4カ国後に対応した車内表示器を設置。グループで利用できる特別室の導入なども行う。詳細な仕様やイメージは検討中という。

運行開始は2027年春。現在の車両は2026年の営業運転をもって引退する予定だ。

嵯峨野観光線のトロッコ列車。【画像:wakanachi3/写真AC】

嵯峨野観光鉄道はトロッコ嵯峨駅(京都市右京区)とトロッコ亀岡駅(京都府亀岡市)を結ぶ観光路線を運営。山陰本線(嵯峨野線)の旧線を活用して保津峡の景色を楽しめるトロッコ列車を運行している。現在の車両はJR西日本から譲り受けたDE10形ディーゼル機関車1両と無蓋貨車を改造したトロッコ車5両で構成されており、このうちDE10形とトロッコ車4両が1991年の開業時に導入。残るトロッコ車1両は1998年に導入されている。

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