JR北海道は3月19日、来年度2025年度限りで現行車両での運行を終了する予定だった観光トロッコ列車「ノロッコ号」について、2026年度も運行を継続すると発表した。新しい観光列車「赤い星」「青い星」の整備に想定以上の時間がかかることが判明したため。

「赤い星」「青い星」はキハ141系気動車のキハ143形を改造して導入する新しい観光列車。従来の発表では来年2026年4月から「赤い星」編成を運行し、続いて「青い星」編成を同年6月から運行するとしていた。
JR北海道によると、キハ143形の車体は経年40年超。改造作業に伴い通常の定期検査では取り外さない内装材の内側を確認したところ、想定以上の腐食とゆがみがあることが判明した。当初の想定より補修に時間が必要なことから、運行開始時期を延期することにしたという。

このためJR北海道は、「赤い星」「青い星」の運行開始前に引退する予定だった観光トロッコ列車「くしろ湿原ノロッコ号」「富良野・美瑛ノロッコ号」の現行車両(機関車+展望客車)について引退を延期し、2026年度に限り運行を継続することにした。車両の老朽化に加え使用部品の生産中止が相次いでいて継続使用は難しいことから、2027年度以降は運行しない。


JR北海道は「赤い星」「青い星」の運行開始時期について「確定次第、改めてお知らせします」としており、めどを示していない。同社は「『赤い星』『青い星』がお客さまに素晴らしい体験を提供できるよう、引き続き努力してまいります」としている。
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