伊豆急行「3年ぶり値上げ」へ 乗り入れ先と同時期、現行据え置きの運賃も



伊豆急行は2月3日、鉄道旅客運賃の変更認可を国土交通省の中部運輸局に申請したと発表した。全体の値上げ率は7.3%。認可された場合、伊豆急行は来年2026年3月に運賃を改定する。

伊豆急行の列車。【画像:PoN太/写真AC】

普通旅客運賃は7.7%の値上げ。10円単位運賃の場合、初乗り(1~4km)は紙の切符(10円単位運賃)で現行170円のところ20円値上げして190円に。ICカード(1円単位運賃)は17円値上げの185円になる。定期旅客運賃は通勤・通学ともに現行額を据え置く。

伊豆急行は伊豆半島東部の伊豆急行線・伊東~伊豆急下田47.5kmを運営。消費税率の引き上げを除き1997年から運賃改定を実施していなかったが、2023年3月に認可上限額まで引き上げる改定を実施した。今回の改定は上限変更を伴うもので、予定通り実施されれば3年ぶり。乗り入れ先のJR東日本も同時期の2026年3月に運賃を改定する予定だ。

普通旅客運賃の現行額と改定額(単位:円)。【画像:伊豆急行】

伊豆急行によると、今後の人口減少や観光需要の多様化などを勘案すると、インバウンドによる増加を考慮しても利用者数の大幅な回復は見込めない。また、物価上昇や人材確保など経営環境の変化への対応に加え、車両や変電所などの大規模な設備更新を実施する必要もあり、運賃改定を申請したという。

伊豆急行の鉄道部門収支は、2023年度は36億3339万2000円の収入に対し支出が35億3498万2000円で9841万円の黒字だった。2026~2028年度の3年間合計の推計では、現行運賃のままなら11億6725万5000円の赤字だが、運賃を改定した場合は赤字額が4億5995万5000円に縮小する見込みだ。

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