中国の国鉄線を運営する中国国家鉄路の新型高速車両「CR450形」のプロトタイプが完成し、12月29日に公開された。『新華網』などが報じた。設計上の最高速度は450km/hで、400km/hの営業運転を目指す。
今回公開されたのは、CR450AF形とCR450BF形のプロトタイプ2編成。日本の新幹線の普通車に相当する2等座車やグランクラスに相当する商務座車に加え、個室タイプの商務座も設けた。車両の重量を1割減らし、走行時の抵抗も2割ほど低減。ブレーキ距離の短縮や車内騒音の低減を図ったという。
設計最高速度はCR400形より30km/h速い450km/h。営業最高速度も50km/h引き上げて400km/hとしている。中国では2018年から400km/hでの運行の研究が始まり、今年2024年に入ってからはプロトタイプの製作を進めていた。
中国では2007年、在来線の高速化や高速鉄道の整備にあわせ、日本やドイツ、フランスなど外国の技術による高速車両「和諧号」(CRH1~3・5形やCRH380形)を導入した。しかし複数の国から技術を導入したため車両によって仕様が大きく異なり、保守管理も煩雑になった。このため2015年には仕様の標準化を図った「復興号」(CR400形など)が開発された。CR450形はCR400形の改良型の位置づけといえる。
中国国家鉄路は今後、CR450形のプロトタイプ車による試験と評価を実施。「できるだけ早く営業運転を開始してサービスを提供できるよう努める」としており、早ければ来年2025年にも営業運転に導入されるとみられる。
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