徳島線の学駅で恒例「ご入学」入場券の臨時販売、期間短縮 縁起性高めた「縦読み」



JR四国は徳島線の学駅(徳島県吉野川市)で来年2025年1月、毎年恒例の「合格祈願きっぷ」の臨時販売を実施する。受験の縁起切符として人気が高く、全国的にも知られている。販売期間は今年2024年1月より短くなる。

学駅入場券5枚とお守り袋がセットの「合格祈願きっぷ」。【画像:JR四国】

「合格祈願きっぷ」は学駅の入場券(硬券タイプ)5枚とお守り袋のセット。5枚の入場券→ご入学という語呂合わせだ。お守り袋は赤・水色・紫・桃色の4種類のなかから選べる。発売額は1セット950円。入場券を1枚(190円)だけ購入することもできるが、その場合はお守り袋が付かない。2025年の臨時販売期間は1月1~5日で、販売時間は9~15時。

「合格祈願きっぷ」は高松駅や徳島駅などJR四国のおもな駅やJR四国ツアー支店などで通年販売しており、通信販売も行っている。一方、現在の学駅は無人駅で自動券売機も設置されていない。受験シーズンの毎年1月に限り入場券の臨時販売を行っている。

近年の学駅での臨時販売の期間は1月1日から8~10日ごろまでだったが、今年2024年は1月1~3・6~8日の計6日に。2025年はさらに1日減って5日間に短縮する。

国鉄・JRの入場券(硬券常備券)のイメージ(駅名と金額は架空のもの)。券面の右側には上に入場券を示す「入」、下に駅名の文字が並んでいた。【作成:鉄道プレスネット】
学駅の場合は右側の文字が縦に「入」「学」と並ぶ。【画像:JR四国】

現在の切符の販売は切符売場の端末や券売機で販売時に印刷するのが主流だが、かつては駅名や乗車区間、運賃などを印刷した紙をあらかじめ用意しておき、販売時に日付などを記入するのが一般的だった。特定の駅名や乗車区間、金額などをあらかじめ印刷しておいた切符を「常備券」という。

JRとその前身の国鉄の場合、硬券タイプの常備券の入場券は大人・子供兼用と子供用の2種類が多い。このうち大人・子供兼用は券面の左側に斜めの線が入っており、子供の入場券はこの線に沿って切り取って販売する。

斜線より右側の切り取る部分には、上に入場券を示す「入」、下に駅名を印刷する。学駅の場合は上に「入」、下に「学」の文字が入り、縦読みで「入学」になる。単に「学駅の入場券」というだけでなく、券面の文字配列が縁起性を高めている点も高い人気を誇る理由の一つになっている。

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