JR各社が夏の臨時列車の指定席発売を見合わせ 情勢が変化すれば運転か



JR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本・JR四国の5社は5月22日、夏季(7月1日~9月30日)に運転する計画だった、ほぼすべての臨時列車について、指定席の発売を見合わせると発表した。

JR東日本の観光列車「越乃Shu*Kura」。【撮影:草町義和】

夏の臨時列車は『時刻表』6月号(5月25日発売)には掲載されるが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、指定席の発売は見合わせられる。5社は今後、社会情勢の変化などを踏まえて実際に運転するかどうかを後日案内するとみられるが、一部の臨時列車は現時点で運休が決まった列車もある。

JR北海道は北海道新幹線「はやぶさ」や在来線特急「北斗」「ニセコ号」、トロッコ列車「富良野・美瑛トロッコ」などの臨時列車の指定席発売を見合わせる。一方、「フラノラベンダーエクスプレス2・3号」「ふらの・びえい号」「ライラック旭山動物園号」は運転を取りやめる。

JR東日本は新幹線2876本と在来線特急2022本、乗車自体を目的にした観光列車「のってたのしい列車」1722本の指定席発売を見合わせる。今後は事態の推移や利用動向により発売開始を判断するという。

JR東海は7月の臨時列車について、7月5日に名古屋~高山間で運転する臨時特急「ワイドビューひだ61号」を運転するが、それ以外の臨時列車は当面のあいだ、指定席の発売を見合わせる。7月の臨時列車の指定席発売開始や運転計画、8月以降の臨時列車の運転計画は改めて案内するとしている。

JR西日本は山陽新幹線と在来線特急について、現在のところ夏の臨時列車の運転は計画していないとし、5月から運転が始まる予定だった長距離列車「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河」も引き続き運転を見合わせる。ただし今後の利用状況に応じて臨時列車を計画する場合は、改めて案内するとしている。

北陸新幹線では、598本の臨時列車の運転を計画しているが、利用状況によって計画を変更する場合があるため、臨時列車の指定席発売は当面のあいだ見合わせるという。

JR四国は定期運転の寝台特急「サンライズ瀬戸」について、下り東京発で高松→琴平間の臨時延長運転を実施。7月3日~9月26日(東京発基準)の週末を中心に延長運転を行う。それ以外の臨時列車やイベント列車は、運転時期が決まり次第案内するとしている。

また、毎年8月4・5日の2日だけ臨時営業することで知られる予讃線の津島ノ宮駅は、最寄りの津嶋神社で行われる夏季大祭が中止になったため、今年2020年は営業しない。

JR九州は夏の臨時列車の運転計画を発表していない。同社が5月20日、鉄道プレスネット編集部に明らかにしたところによると、夏の臨時列車は設定しない方針。ただし社会情勢の変化などで利用者が見込めるようになれば、運転する可能性はあるとしている。