青森駅近くの商業施設「積雪発電」実証実験 JR東日本グループと共同で



GPS端末やAIの開発などを行っている企業「フォルテ」(青森市)は、JR東日本グループのJR東日本スタートアップ・JR東日本青森商業開発と共同で、冬季の積雪を活用した温度差発電(積雪発電)の社会実装に取り組む。12月13日から実証実験を行う。

雪国の積雪のイメージ。【撮影:草町義和】

温度差発電は熱源と冷媒の温度差により電気を生み出す発電方式。フォルテの積雪発電は雪を溶かした冷水を冷媒として活用する。フォルテ・JR東日本スタートアップ・JR東日本青森商業開発の3社によると、積雪発電は最大約1kWの発電が可能。発電装置は設置に大きな手間がかからないなどの利点があるという。

積雪発電の仕組みと3社が挙げる利点。【画像:JR東日本スタートアップ】

実証実験は青森駅に隣接する、JR東日本青森商業開発の商業施設「A-FACTORY」で実施。発電した電気を敷地内の融雪に利用することで除雪コストの低減を目指す。

積雪発電の導入で除雪コストの低減などを目指す。【画像:JR東日本スタートアップ】

このほか、イルミネーションイベント「あおもり灯りと紙のページェント」(2024年12月13日~2025年2月2日)で使用する灯籠で使う電気の一部も積雪発電で供給。また、A-FACTORYのダンボールやリンゴの搾りかすなどの廃棄物から積雪発電の熱源になるペレットを生成することで持続可能性モデルの可能性も検証する。

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